「前々から言おうと思ってだんだけどな、
<起こることは起こる>なんて、
お前が悟りすましたように言うのが、
どうにも気に食わねえんだよ!」
「そりゃあどうも悪うござんしたね。
でもな、実際そうなんだからしょうがねえだろ」
「そうかも知れねえが、それじゃあ人間一人、
あ~もしたい、こ~もしたいっていう気持ちは、
どうしたらいいんだよ」
「どうもこうもねえよ、気持ちは気持ちで
好きなようにやりゃあ良いじゃねえか」
「<起こることは起こる>んだったら、
やりがい、ってえもんが湧いてこねえだろうが...
第一、その了見はお前の了見なのか?」
「別にオレの了見てえものじゃねえよ。
大昔から、運命か意志か、可知か不可知かみてえな話は
あったって聞いてるし、最近流行でもある」
「おいおいお前たち、さっきから何をやかましくしてんだ、
はた迷惑も考えたらどうだい!」
「あっ、大家さん、どうもすいません。
確かにこんな安普請じゃあ、はた迷惑だ」
「何を生意気なこと言ってやがる、
店賃をろくに払いもしていないくせに。
まあ良い、でも先ほどからお前たちが話してること、
なかなか難しい問題だぞ。
悪いことは言わないが、
お前たちの無い頭で考えても無理なこと、
早々に諦めて、仕事にでも行ってこい」
「そういう大家さんにも、
さっきから頭なんかねえですよ(笑)」
<起こることは起こる>...
これを頭で理解することなんて出来ない。
分析、議論、
ましてや、大家(たいか)の取りなしも心もとない(笑)
コーヒーでも飲みながらのんびりしていると、
ふっと考えが止むときがあるよね、
もしかしたら、その瞬間、何かが訪れるかもしれないね。
あっ、そうそう、その時飲むコーヒーは、
ぜひ無糖(頭)で...(笑)
合掌