「すいません、
昨晩は取り込んでたもんで、
せっかくの中秋の名月さんを、見逃しちゃいました...」
「まあ、そんなことだろうと思いましたよ、
昨日は特別まんまるくしといたのにね...」
「そりゃあ残念、
でも、団子だけはしこたま買い込んであったので、
ほら、こっちのお腹の方はすっかりまんまるに...」
「呆れたよ、まったく、
言っときますけどね、私は今夜もちゃんと出てます」
「あっ、そうだっけ、
じゃあ今夜は何を食べようか...」
「何か食べなきゃ、見られないのかね...」
このやりとりを聞いていた、宇宙に存在するあらゆる星々は、
ありもしない肩を落としていた...
こんな声が聴こえてきそうだ、
「人が見上げていようがいまいが、
それで輝きを調整したりはしない、
でも、年に数回ぐらいは、世の煩いごとに背を向けて、
空を見上げてほしいもんだ...」
<真我>もそういうもの、
ずっとそこにあるものなんだ...
合掌